専門家に聞く!子どものいじめに対処する際に重要な心構えとポイント

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専門家に聞く!子どものいじめに対処する際に重要な心構えとポイント

専門家に聞く!子どものいじめに対処する際に重要な心構えとポイント

2020-11-05

日本だけでなく、世界中でいじめが深刻な社会問題になっています。特に日本のいじめは陰湿な特徴があるとも言われており、親や大人たちが子どものいじめを特定するのが難しいケースも多く発生しています。「もし自分の子どもが学校でいじめられていたらどうしよう」と、不安を抱えているご家族も少なくないはずです。

そこでケアファインダーでは、いじめとはどのようなものなのか、そして親はどのようにいじめに苦しんでいる子どもを助けたらよいのかをしっかりと理解するために、2名の専門家に話を伺いました。

テンプル大学ジャパンキャンパスの専任講師である堀口佐知子博士さんは、青少年のメンタルヘルスと教育を専門とする人類学者です。また、同大学で助教授を務めるダリユシュ・スコブロインスキー博士は、異文化と行動心理学を専門とし、実践的なカウンセリングなども行っています。

いじめとは何か?

いじめと一言でいっても、様々なタイプがあります。暴力のように目に見える物理的なタイプのいじめもありますが、直接的な対立を避ける傾向が強い日本では、いじめは「受動的攻撃行動」として発生するのが一般的です。これは否定的な感情を相手にぶつけずに、消極的な態度や行動を示す行動です。日本では個性よりも集団に合わせることが優先される傾向もあるため、全体の調和を脅かすような行動が見られると、いじめにつながることもあります。

堀口氏とスコブロインスキー氏によると、現在日本で多く発生しているいじめとしては、目に見えて残酷なものよりも、陰湿なタイプが多いと指摘しています。例えば、クラスのみんなが誕生日パーティーに招待されているのに、特定の子どもだけが招待されないというようなタイプのものです。

さらに堀口氏は「悪い子だけがいじめをするわけではない」と指摘しています。成績が良くて礼儀正しい、一般的には「良い」と言われる子どもたちが集まるグループの中でも、集団ならではの力関係が作用してしまい、いじめにつながるケースもあるそうです。

スコブロインスキー氏によるといじめは人間の本質的な行動の一面であり、どの年齢でも集団や組織のなかではヒエラルキーが発生してしまうと言います。「現実的にいじめをなくすことは難しいでしょう。しかしいじめがどのように発生するかを考えることはできます。」

例えば、幼少期に仲間と交流する機会がなかった子どもたちは、年齢を重ねるにつれ、いじめに遭いやすくなる可能性があります。同年代の子どもたちと関係を築いた経験がない場合は、学校に入ってから人間関係を築くのに苦労する場合もあるかもしれません。

親はどのように子どものいじめに対応すべきか

お子さんがいじめに遭っているとわかったら、ご両親はどのように対応するのが望ましいのでしょうか。子どもがいじめに遭わないように防ぐのは難しいかもしれませんが、いじめに対処するスキルを教える手助けはできるはずです。

何よりもまず大切なことは、ご両親が常にご自身の行動を意識してみることです。子どもは吸収力の高いスポンジのようなものなので、ご両親が日常生活の課題にどのように対応するかを、しっかりとみて育っていきます。

さらにスコブロインスキー氏は、できるだけ早い時期から子どもを外の社会と交流させることを推奨しています。まずは同年代の子どもたちと近所で少しずつ遊んでみてください。そして異なる言語や文化に子どもたちを触れ合させるのもおすすめです。もちろんケアファインダーのベビーシッターも、お子さんに様々な経験をご提供できます。

子どもは小さい時から社会と関わりをもつようになると、様々なメリットを得ることができます。新しい環境下でも心を開いて柔軟に対応できるようになるだけでなく、将来仲間と交流する際に役立つ重要な社会性を身につけることにもつながるでしょう。

スコブロインスキー氏は「一部の人々はあなたを好きではないだろうし、理由もなく意地悪をする可能性もある」という人生における重要な教訓を、すべてのご両親がお子さんに教えるべきだと考えています。

また堀口氏によると「いじめの対処方法として最も重要なポイントの一つは、子どもの不安を取り除き、それぞれの考えを聞くための安全な空間をつくること」と指摘しています。

いじめに関する議論の場を設ける

もしいじめの被害や状況について、お子さんの担任の先生や周囲の関係者に状況を共有した方がいいと考えた際は、2つのポイントを心に留めておいてください。

1つ目のポイントは、たとえ担任の先生や顧問、そしてコーチであったとしても、子どもの行動や自身の行動がなぜ問題になっているのかを把握しきれないケースもあるということです。特にいじめが文化の違いから発生している場合は、理解に欠けてしまう可能性もあります。

そこで堀口氏は「問題を議論するための対話の場を設けること」が、問題の解決に最も必要なポイントだと言います。

スコブロインスキー氏は2つ目のポイントとして、もしも可能であれば、校長先生やスクールカウンセラーなどの学校の関係者を話し合いの場に参加させることを勧めています。前述したように、日本の文化はグループの力を優先するケースが多いため、グループの合意を得るためのインセンティブを作ることも、いじめ問題の解決に役立つでしょう。

いじめに悩む子どもに対して、親がしない方がいいこと

お子さんがいじめに遭っているとわかった時、きちんと話を聞かないまま、いじめをなかったことにしてしまう行動は、最もしてはいけません。また、子どもにつきまとうような「ヘリコプターペアレンツ」のように、過剰に干渉することも避けましょう。

しかし子どもが周囲から明らかに暴力をうけていたり、いじめがかなり深刻そうな場合は、できるだけ早く助けましょう。学校の先生やコーチにいじめの発生を報告するだけでなく、時には法的な訴訟が必要なケースもありえます。ですが時期尚早なタイミングで干渉し過ぎてしまうと、状況をさらに悪化させてしまいます。

いじめの解決に最も重要なことは、ご両親がご家庭で子どもの手本となるような行動を心がけ、オープンなコミュニケーションの場をお子さんに提供することです。すべてのネガティブな影響から子どもを守ることはできませんが、いじめを克服するために必要な自信を子どもに与えることはできるでしょう。

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